みなさま
お世話になっております。M&A365代表の森永でございます。
12月にも多くのM&Aが発表されました。
また、2026年はM&A公表件数が5,000件を超えるのではと予想しております。
今回は、特別企画として、「資さんうどん買収1年後の答え合わせ」と称し、M&A後一定期間経過した事例の検証を行いたいと思います。
(2024年9月)すかいらーく社による240億円で買収の初回リリース
すかいらーく社は、投資ファンドのユニゾンキャピタルが保有する資さんうどん社を240億円で買収。
当時は資さん社の売上高は152億円、営業利益3億円、EBITDA14億円であった。
EBITDAの17倍の金額での買収となり、非常に話題になった。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3197/tdnet/2499763/00.pdf
(2025年11月以降)すかいらーく社の発表と昨今の報道
・九州以外への出店を推進。買収1年目の進行期は20店の出店計画。
・うち11店は他店の業態転換による出店。ローコストかつ短期間での出店を実現。
・関東、関西の1店あたりの月商は、九州と比べて2倍
・自社工場の内製化、物流、購買の効率化に着手
・EBITDAは買収時から約1.5倍。2倍に届く日も近い
・2026年は30店、2027年以降50店以上の出店を計画している。
1年後の振り返り3つのポイント
・初期検討段階からのストーリー策定
すかいらーく社にとっては、ポートフォリオの隙間(低価格帯)を埋める効果や、既存店のカニバリゼーションの解消効果もあり、資さんうどん社は検討当初から魅力的な会社に映っていたと思います。
検討の初期段階から、グループの経営資源と照らし合わせながらシナジーに加え、上述した計画を綿密に策定していたのではと想像しております。
・ディール中の関東でのテストマーケ
当時、ファンド傘下の資さんうどん社は、売却前の2024年7月に3日間限定で東京・神田にてPOP-UPレストランをオープンしております。
結果として連日完売となり、1日あたりの売上が200万円に達するなど、期待をはるかに上回る大反響でした。
タイミング的には、おそらくすかいらーく社によるDD直前もしくはDD真っ最中かと思われますが、この結果は関東での伸びしろやバリューを確信する一つの材料になったのではと想像しております。
・早期かつやり切るPMI
買収直後から調達、物流、人材、店舗開発の各領域で連携を進め、資さん独自のブランド力を損なうことなく、出店加速やコスト効率化を実現しております。
既存店舗の業態転換や工場インフラの活用など、グループ全体でシナジーを創出する徹底ぶりは、M&A後の価値最大化における優れた手本になるのではないでしょうか。
まとめ
まだ買収後1年の時点では、資さんうどんの業績寄与はすかいらーく連結売上に対しわずかですが、着実にシナジー効果が現れ始めています。
今後の積極展開により、中期的に数百億円規模の新事業セグメントになるポテンシャルがあります。
決算説明でも、資さん事業の好調さ(関東進出の成功など)がトピックとして触れられており、投資家からもその成長が注目されています。
今後は、チェーンの垣根をこえたコラボやデジタル戦略の融合、海外進出なども視野に入れているのではと想像しております。
非常に注目された事例であり、外食業界におけるモデルケースとして今後も注目されるとなりますので、引き続き定点観測を行いたいと思います。
以上です。今月もよろしくお願い申し上げます。
