みなさま
4月にも多くのM&Aが発表されました。
この中で個人的に気になったM&A事例をご紹介いたします。
吉野家HD社、ラーメン店向けの麺、スープ、タレ等製造の宝産業社を子会社化
短信や決算発表、中計発表の時期になりましたが、様々な業種で「コロナ終焉」という言葉を耳にします。食に関する業界も、攻めに転じるというニュースを見るようになりました。
5月8日の日経MJによれば、吉野家HD社は国内外の牛丼チェーン、はなまるうどん、そしてラーメン店の出店を加速し、前期比50%増の出店を計画しています。
吉野家HD社は、ライバルであるすき家や松屋と比べて、特定の業態に絞った展開を行っています。
すき家を展開するゼンショーHD社は外食業界のトップ企業であり、国内では19の外食ブランドや食品スーパーを展開しています。これまで30件以上のM&Aを公表している通り、積極的なM&A戦略を取っております。最近ではロッテリアの買収が報じられました。
一方、松屋フーズHD社は松屋を主力ブランドとし、他にもとんかつ松の家、マイカリー食堂、すし松などのブランドを展開していますが、公表されている国内M&Aは1件のみであり、しかも18年前のものです。自社での成長戦略を重視しているようです。
吉野家社は、主な業態である、牛丼、うどんの次の柱として、ラーメン業界にリソースを投入する様子が伺えます。
ラーメン事業の成功が次なる業態展開に繋がる可能性もあります。また、ライバル企業のように時間をかけて総合外食企業へと成長する可能性もあります。
コロナの終息とともに、外食業界のM&Aが活発化することが予想されます。
以上です。今月もよろしくお願い申し上げます。