みなさま
お世話になっております。M&A365代表の森永でございます。
4月にも多くのM&Aが発表されました。
この中で弊社が注目したM&A事例をご紹介いたします。
西松建設社、建設コンサルタントの扇コンサルタンツ社の株式取得
https://www.nishimatsu.co.jp/news/2025/post_144.html
西松建設社の概要
1874年創業の老舗ゼネコンで、スーパーゼネコン5社に次ぐ準大手ゼネコンに位置付けられる総合建設会社です。土木工事(ダム・トンネルなど大型インフラ)を得意としつつ、近年は超高層ビルやマンション、公共施設の建築分野や、不動産開発事業にも力を入れております。
2024年3月期の連結売上高は約4,016億円、営業利益は約188億円です。
扇コンサルタンツ社の概要
いわゆる建設コンサルタント業を行っている会社です。
具体的には、道路・橋梁・トンネルなどインフラ構造物の計画・設計、下水道等の都市インフラ設計、地盤のボーリング調査や土質試験、土地の測量・用地測量などを行っております。
ゼネコンが建設コンサルタント会社をグループ化する狙いの考察
ゼネコン(建設会社)と建設コンサルタント会社は、広義の建設分野に位置するものの、お互い行っていることは明確に異なります。
今回は、ゼネコン目線だと、川上への進出、垂直統合と考えられるのではないでしょうか。また、上流の情報を早期に得ることは、競争上優位に働くのかもしれません。
一方で、建設コンサル分野と、建設工事は、発注者が同じであっても、契約方法や納品のプロセスが異なり、競争上優位に働くのかどうかは不明です。
西松建設社は、多角化志向のある会社で、新分野への挑戦や、海外の開発強化の戦略を公表しております。
調査・測量・設計から施工までワンストップで提供できる建設会社としての立ち位置を目指しているのかもしれません。
加えて、高度経済成長期に建設された道路インフラの老朽化対策、床版取替工事をはじめとする大規模修繕工事に取り組むことも公表されております。
直近5年の建設コンサルタント会社が売却側として公表された主な事例は以下になります。
ゼネコンが買手となる事例は珍しいようですが、本件をきっかけにゼネコン側の検討が進むのか、注目したいと思います。
以上です。今月もよろしくお願い申し上げます。