みなさま
お世話になっております。M&A365の森永でございます。
2024年5月にも多くのM&Aが発表されました。
この中で個人的に気になったM&A事例をご紹介いたします。
投資ファンドのサンライズキャピタル社(旧CLSAキャピタル)、個別指導塾「個別指導キャンパス」運営の新教育総合研究会社(大阪市)を買収
https://www.clsacapital.com/fileupload/media_centre/新教育総合研究会株式会社への資本参加について.pdf
学習塾業界は少子化の影響を受けているものの、進学率の高まりから需要が拡大し、市場は成長傾向にあります。
ここ数年は投資ファンドが学習塾に投資するケースも増加しています。アドバンテッジパートナーズ社のやる気スイッチグループHD社(東京)、アント・キャピタル・パートナーズ社のメック(東京)、D Capital社の日本教育協会社(東京)などのM&Aが公表されています。
これは、市場が今後も成長が見込まれていることを示しています。
統計データを見てみますと、2012年から2020年にかけて、業界の売上総額は8兆円から12兆円に、
事業所数は3.5万件から5.2万件に、それぞれ8年間で1.5倍に増加しています。
特に都市部の成長が顕著です。
一方で競争も激しくなっており、年間60~90件程度が倒産しております。
M&Aの状況ですが、私の感覚としては、毎年コンスタントに発表されているという印象です。
M&Aの類型としては、中小事業者の大手グループ入り、大手同士の資本持ち合い、投資ファンドの投資受け入れなどがあり、
対象領域の拡大(大人・法人・幼児・外国人)、周辺領域の強化(情報誌、映像、ICT活用、人材)、
またフランチャイジーのFC本部入りなどがあげられます。
少子化や内需の縮小は続くと思われる中で、学習塾間の競争が続くと思われます。
ICT活用や優秀な講師の確保など、競争力確保のためのM&Aは今後も増加すると考えられます。
また、学習塾業界は個人事業主の比率が6割と高く、個人事業主が多い業界です。
多くの業界では、小規模で経営している事業者と拡大志向の法人の二極化が進んでおり、学習塾業界でもその流れになるのかが気になっています。
以上です。今月もよろしくお願い申し上げます。