みなさま
お世話になっております。M&A365代表の森永でございます。
2月にも多くのM&Aが発表されました。
この中で弊社が注目したM&A事例をご紹介いたします。
シェアオフィス業界の再編。野村不動産社による東京電力HD社のシェアオフィス事業の買収。
https://www.nomura-re.co.jp/cfiles/news/n2026012806546.pdf
野村不動産社のオフィス戦略
野村不動産社は、近年ワークプレイス関連のサービス開発に注力しております。同社はオフィスビル開発を行うだけでなく、テナント企業やその従業員の多様な働き方ニーズに応えるための新たなオフィスサービスを展開しています。
その代表例が、H¹O、H¹Tという2つのブランドです。H¹Oはサービス付き小規模賃貸オフィス(レンタルオフィス)、H¹Tは従量課金制の法人向けサテライト型シェアオフィスという位置づけで、現在は150拠点以上の展開を行っております。
コロナ後は、都心のオフィス需要が持ち直し、空室枯渇に近い状態となり、サテライトオフィスやシェアオフィスの需要も高まっております。
連携のシナジー
今回の対象となったのは、東京電力社が展開する「SoloTime」です。
コロナ前の2019年から新規開業として開始し、現在は直営店37店舗、会員数は約11万人に達ししております。
すでに両サービスは2020年から提携して相互利用を可能としていましたが、今回野村不動産がSoloTimeを自社グループに取り込むことで完全な一体運営が可能になります。これにより、H¹T会員はシームレスに郊外拠点を使え、SoloTimeの会員も野村不動産の多彩な都市部拠点を使えるようになるでしょう。
SoloTimeの既存顧客基盤・ノウハウの獲得という側面があります。SoloTimeは650社以上の法人契や多数の個人ユーザーを抱えており、これらがそのまま野村不動産側に移行可能になります。
今回の買収金額は7.5億円という発表がありましたが、新規に十数店舗開設する費用やマーケティングコストを考えて算出したのではと想像しております。
産業化、新規参入、そして再編
今回のM&Aは、新規の産業が興り(導入期)、新規参入者が増え(成長期)、そして再編(成熟期)という、企業・産業のライフサイクルの変遷が短期間で見られた事例だと思います。
言わずもがな、新型コロナによる働き方の変更、その後の出社回帰による影響はあったと思います。
現在の同領域では、三井不動産の「Work Styling」、JR東日本の「STATION WORK」など各社が競い合う状況です。セオリー通りだと、3〜4社に集約されることも考えられますが、今後の動向に注力したいと思います。
以上です。今月もよろしくお願い申し上げます。
