みなさま
お世話になっております。M&A365代表の森永でございます。
4月にも多くのM&Aが発表されました。
この中で弊社が注目したM&A事例をご紹介いたします。
サイバーステップHD社、NAXA社を3億円+アーンアウト2.3億円で子会社化
https://pdf.irpocket.com/C3810/Rytt/DwRG/qbLS.pdf
売手のNAXA社は2年で売上8倍の急成長企業。
NAXA社は、2021年10月に設立された設立4年強のスタートアップです。
事業内容は、放送局DXを軸とした受託開発と自社プロダクトの両輪で構成されます。主要顧客はNHK、日本テレビ、TBS、フジテレビ(FOD)、テレビ大阪などの在京・在阪局を中心に70件超の開発プロジェクト実績を有しております。
中核プロダクトはAI字幕生成サービス、バーチャル広告合成等です。
業績推移は、2023年9月期の売上高25百万円→2024年9月期103百万円→2025年9月期200百万円と、2年で売上が8倍に拡大しております。
アーンアウト比率77%という積極的な設計
今回はアーンアウト条項を設定しているM&A取引となります。アーンアウトとは日本の会計基準では「条件付取得対価」と呼ばれており、「M&A取引のクロージング後一定の期間において、対象会社が予め設定した目標を達成した場合等に、買手が売手にM&A対価の一部を後払いする仕組み」と定義されております。
今回の事例を見てみると、買収対価3億円に対し、アーンアウトは2.3億円と77%という積極的な設計を行っております。
これは、買手企業のキャッシュアウト抑制や、対象会社が設立4年の急成長企業であるがゆえの将来性の変動リスクへの対応と予想しております。
また、設定した目標は売上高やEBITDAどちらかを選定することが多いですが今回は営業利益を選定しております。
加えて、目標達成基準と報酬は、ゼロか百か、あるいは階段式なのかはリリースからは不明です。
雑所得課税リスク
売手側からすると、アーンアウト分の所得は株式譲渡所得なのか雑所得なのかが最大の興味かと思います。両者で税率が倍以上異なりますので、慎重にスキーム設計を行う必要があります。
交渉の経緯、目標達成の難易度や、売主オーナーの譲渡後の勤務体系など複数の観点から総合的に判断されます。
判例では、株式譲渡所得のケース、雑所得のケースどちらも見受けられますので、設計時、交渉時にリスクの度合いを重点的に検証することを推奨します。
以上です。今月もよろしくお願い申し上げます。
